自己啓発

【書評】~『デジタル・ファシズム』~

幸せになりたい!!!
この記事を読んでいただいてくれた方々は幸せになりたいと感じている方も少なくないのではないでしょうか。

そんな方におすすめの本が『幸せは考え方が9割』です!

幸せに毎日を送るためには見方・考え方がとても重要です!

幸せになるためにはなぜ考え方が大事なのか、また具体的な幸せになるための考え方や習慣づけについて徹底解説しています!

「毎日が鬱屈だけど、本当は幸せに生きたい!!!」

そんな風に少しでも感じられている方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。

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こんにちは。なべおです!!

今回のおすすめ本は堤未果氏著の『デジタル・ファシズム』です!

日本ではデジタル化が進んでいますが、本書ではそんな拙速なデジタル化の負の側面について論じています。

「2024年までにタンス預金は没収される!」・「教師は全国に各教科につき一人で十分?」などいくつもの興味深い内容がつづられています😮

この本では3つの章に分かれているのですが、本記事ではそれぞれの章について私なりに解説していきたいと思います。

今回お伝えする内容は以下の3点です!

  • スーパーシティは本当に良いものなのか?
  • デジタル通貨は普及するのか?
  • デジタル教育は何をもたらすか?

順番に見ていきましょう!

第1章:スーパーシティは本当に良いものなのか?

デジタル化は確かに私たちの生活を便利にしてくれます。しかしその負の側面についてもしっかりと目を向けていかないといけません。

第1章ではまず「デジタルスーパーシティ」について語られています。

そもそも「スーパーシティ」とは文字通りすべてがデジタル化された都市のことで、GAFAもこれを後援しています。

2010年から中国の武漢市・深圳市で建設が始まり、日本でも東日本大震災をきっかけに、福島で建設が始まりました。

また2021年には大阪府市が「スーパーシティ」構想に応募したことは特に話題になりました。

AIやビッグデータを駆使したこの「スーパーシティ」構想は一見とても素晴らしいように思えますが、その負の側面の一つに個人情報の問題もあります。

スーパーシティではマイナンバーカードをハブとして銀行口座や日々の購買・移動履歴などが紐づけられ、管理されます。

『一九八四年』の世界のようにあらゆる行動が監視される社会と言っても過言ではないでしょう👀

このスーパーシティ構想は2020年に「スーパーシティ法案」として可決されたのですが、個人情報問題をはじめとする多くの議論を引き起こしています。

デジタル化の負の側面

他にもスーパーシティ構想をはじめとするデジタル化の負の側面として権力の集中があります。

デジタル化によってそのデジタルを牛耳っているものに権力が集まり、それがいわゆる「デジタル・ファシズム」というわけです。

新型コロナウイルスの感染拡大もあり、デジタル化が一気に進みましたが、本書では一貫して、こういったデジタル化は誰のために行われているのかについて疑問が呈されています。

確かにデジタル化によって社会はより便利にはなるかもしれませんが、結局はそれはGAFAと結びついた政府や企業の利益につながるだけで、私たちには還元されないと本書では説明されています。

2021年に「デジタル庁」が発足し、デジタル化における最強権力が誕生しました。

そのデジタル庁のホームページによると

デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDXを大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指します。

https://www.digital.go.jp/

と書かれています。

表面上はとても良いことのように思えますが、予算面の問題もさることながら、この改革は畢竟、GAFAと結びついた政府や企業の利益に終わってしまうと本書では説かれています!

私たちの知らない間に、次々とデジタル化が進行していく、個人情報が気づかれないうちに利用される「デジタル・ファシズム」の到来に警鐘を鳴らしているというわけです。

第2章:デジタル通貨は普及するのか?

今や支払いに現金を使うというのはかなり減ってきたのではないでしょうか❓❓

交通系ICをはじめ、クレジットカードやデビットカード、さらには〇〇ペイなどが主要な支払い手段になりました。

この章ではまずその中でも〇〇ペイでの支払いがどれを利用する人の個人情報などを吸い取っていることに警鐘を鳴らしています。

スマホ決済は確かにとても有用で、給与までも最近はスマホに入るようになりました。しかしこれにより、蓄積された購買記録などは起業の更なる収益化に貢献しているわけです、、、

そしてデジタル通貨についても本章では展望しています。実際、デジタル通貨によって購買履歴が残るために通貨による不正が減るという理由で、政府はデジタル通貨を積極的に普及させようとしています。

そしてパンデミックによりこの流れに拍車がかかりました。「ショック・ドクトリン」という言葉もあるように、何か影響力の強い大きな出来事が起こると、拙速なまでの改革も実現可能になってしまうのです。

冒頭でも触れたように「2024年までにタンス預金は没収される!」という見解もあります。

2024年度に新紙幣に切り替わることで、今使われている紙幣を何とか市中にあぶり出したいという政府の思惑があるということです。

日本はいまだに現金の割合が他国に比べてかなり高いですが、近い将来、デジタル通貨が今以上に普及するようになるかもしれません😑

第3章:デジタル教育は何をもたらすか?

第3章ではデジタル教育について論じられています。

確かにデジタル教育では教育の機会均等や、より能率的な子どもの学習が実現できそうですが、果たしてこれは本当なのか議論がなされています。

GIGAスクール構想」というのをご存じでしょうか?

本書によると「GIGAスクール構想」とは

生徒一人一台のタブレット支給とクラウドの活用、高速大容量インタ-ネット通信環境を全国の国公立私大の小中学校に整備することを掲げ、2019年12月に発表された計画

『デジタル・ファシズム』p193

と書かれています。

これにより生徒全員がタブレットを持つようになり、大規模なネット環境も構築されるわけです。

ただこれにはいくつかの問題点があります。

  • 生徒の思考力が低減する
  • 生徒のデジタル依存を強める
  • 教師が要らなくなる

順番に見ていきましょう!

生徒の思考力が低減する

まず1つ目が生徒の思考力を失わせるということです。

何かわからないことがあればすぐにタブレットを使って調べることができます。すぐに答えが分かります。

勿論これは便利な面もあるのですが、その一方で自分の頭を使って考えるという能力が失われるという大きなデメリットもあります。

実際、「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトを主導した新井紀子氏がおこなった調査では生徒の読解力が優位に低下していると発表しています。

自分の頭で考えるというプロセスにこそ大きな意味があり、それが自己の成長にもつながると思います。

GIGAスクール構想ではこの大事な過程が失われてしまうというわけです。

生徒のデジタル依存を強める

続いての問題点がデジタル依存を強めてしまうということです。

ただでさえ今では授業中に生徒がスマホをいじって、ちゃんと授業を聞かない問うのが問題になっていますが、デジタル教育が進展することで、これはさらに加速するのではないでしょうか❓❓

またデジタルへの依存が強まり、ノートをはじめとする紙媒体を使わなくると記憶力や理解力の低下にもつながるとされています。

実際、これは本著でも上がっていましたが、東大とNTTデータ経営研究所、日本能率協会マネジメントセンターの三者の合同調査によると、手帳・タブレット・スマホのなかで最も脳活動が活発だったのは手帳だったという研究結果があります。

僕自身もいまだ紙の手帳を使い、本も紙媒体で読み、ノートにメモをするというバリバリの硬派の人間ですが、確かに記憶に残りやすく、頭を使っているという感覚はあります。

デジタル教育は結局は生徒の学力を下げてしまうことにつながるのではないでしょうか🤔

教師が要らなくなる

オンライン教育が進むことで、教育の現場はますます締め付けが厳しくなるでしょう。

実際、GIGAスクール構想の中で以前の菅政権が打ち出したのが、教科書のデジタル化です!

これにより、教師はもはや教壇で教える必要はなく、生徒が勝手に学べば済むようになってしまうわけです。

冒頭でも少し触れたように最終的には「教師は全国に各教科につき一人で十分!」とさえ主張されています。

ですが果たしてこれは本当に良いものなのでしょうか?

本書でも述べられていますが、人間は対面で触れ合うことに大きな意味があると思います。

特に新型コロナウイルスの感染拡大により改めてこれを感じたのではないでしょうか?

僕自身大学受験の時は映像授業が中心の予備校に通っており、確かに自分のペースで進められ、その美点も感じたのですが、同時にたまにある対面の授業においても、他のライバルの刺激を受けられるなど様々なメリットを感じました。

今後は教師がAIなどに取って代わられるかもしれません、、、

デジタル・ファシズムに関する他の方の感想

ここからはいくつか『デジタル・ファシズム』に関する他の方の感想を紹介していきます!

国民の思考的・肉体的“楽”さを追求した、その果てを考えさせられました。

日本の政府・金・教育の3つに対して、利便性のみの追求したデジタル化が如何に愚かで恐ろしいか・・・その警鐘を、昨今の日本及び世界各国の有様とを比較して鳴らしてくれています。

記述も特段堅苦しくないので、すんなり入ってきました。もっと政治に目を向け耳をすませないと国民にとって危険だと痛感させられました

Amazonのレビューから引用

「社会がデジタル化することによって、民主主義が深まる」「人々は共感し合えるようになり、

オンラインで対話を重ねながら、同じ一つの問題を、解決できるようになるはずだ」

だが彼女はそこに、ある一つの条件をつけた。〈ただし、決して権力を集中させてはいけない〉

「日本の資産と主権が消える」そんな怖しい現実を伝えてくれる本である

Amazonのレビューから引用

いずれも拙速なデジタル化によって、日本という国家そのものが危ぶまれるその危険性を教えてくれたとの評価でした。

日本は昔からデジタルに弱いといわれています。そんな日本の多くの方々が未来に備えるために読んでほしい1冊です。少し難しい内容もありますが、読む価値は大いにあると思います!

自分には何ができるかを考えながら読むとさらに良いと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました🙏

今日のポジティブなこと3つ

  • いつもより30分早く起きることができたこと
  • 将棋の指導対局が受けられたこと
  • 夜にバイトの後輩と食事に行けること